Entries
2015.10/01 [Thu]
独大手自動車会社凋落
え〜、
世界的にフォルクスワーゲンの不正問題が大きく採り上げられていますね。
以前、ゴルフに乗っていたこともあり、
個人的にも好きな自動車メーカーなので
この問題について語ってみたいと思います。

本文と画像は直接的な関係はありません。
まず最初に、欧州メーカーが自社のディーゼルエンジンを
「クリーンディーゼル」などとアピールしていますが
これは全くのデタラメです。

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも燃費が良く
燃料である「軽油」もガソリンより安価なのはご存知ですね。
十数年前、日本のハイブリッド車に対抗すべく、
欧州各国はディーゼルエンジンに白羽の矢を立てました。

でもディーゼルエンジンには大きな欠点があります。
PM(粒子状物質)とNOx(窒素酸化物)の排出です。
この2つはトレードオフの関係にあり
PMを抑えようとすればNOxが排出され
NOxを抑えようとすればPMが排出されます。
パワーと効率を追求するとNOxが排出される方向に傾きます。

その昔、日本のディーゼル車がモクモクと煤塵をまき散らしていましたよね?
あれはNOxの排出を政府が規制していたからなのです。
欧州各国の政府はハイブリッドに対抗するために
NOxの排出に目をつぶり、ここへの規制を極端に緩和しました。
そのお陰でパワーのある燃費の良いディーゼル車が誕生。
欧州ではディーゼル車の比率が7割近くにまで達しました。

NOxは煤塵のように目には見えませんから、
一見クリーンに見えるのですが、
実は有害物質を法外にばらまいていたのですね。
こんな状況が許されるわけもありません。
さすがにまずいと思ったのか
NOxの排出量の制限は徐々に厳しくなって行きます。
特に厳しくなったのが大きなマーケットであるアメリカの規制。
ここをクリアしなければ欧州メーカーは大きな打撃を受けることになります。

そこで各メーカーがとった策は
NOxの排出を抑えるのではなく、
排出されたNOxを触媒やらフィルターやらで大気中に出ないようにするという
割れ鍋にフタ的な、誠にお粗末なエンジニアリングでした。
たくさんの「後処理装置」を搭載、結果的に自動車の重量は増し、
車両自体の価格も上がっていったため、
「プレミアムディーゼル」という付加価値をつけて
高級車として売り出す方向にシフトしていったのです。

数年前から日本の心あるジャーナリストの一部は
この問題を指摘し、欧州ディーゼルの危うさを説いていました。
後処理で有害物質を除去するのはどうしても無理があり、
数万キロでその除去能力は破綻するであろうと・・・

そこで登場して来たのがマツダの新世代ディーゼルでした。
難しい説明は省きますがマツダのそれは、
最初からNOxもPMも排出しにくいエンジンだったのです。
有害物質を除去しなくても良いので余計な装置も必要なく
欧州ディーゼルよりも軽く、安価で売り出すことが可能になりました。
瞬く間に欧州で大ヒットしたマツダのディーゼル車。
脅威に感じた欧州メーカー(メルセデス、BMW、VWなど)は自らマツダ車を購入、
解体・分析し、マツダの発想力とエンジニアリングに愕然としたそうです。

なのであたしはこの問題はVW以外の欧州メーカーにも
少なからず存在すると思っています。
どの欧州メーカーのディーゼルも
基本的には同じ考え方で造られているのですから。
ヒトラーの国民車計画からはじまり、
フェルディナント・ポルシェの卓越したエンジニアリングで名車を生み出し、
ある時期は日本車が目標としていたVW。
世界一の自動車メーカーの座をかけて
トヨタと激しい競争を繰り広げている矢先の大スキャンダル。
今回の不正で、そのブランド力は完全に失墜するでしょう。
しかし、今後は正しいエンジニアリングで
再び世界に冠たる名車を生み出して欲しいと願います。
※画像の無断転載を禁じます。
※コメントへのご返事はお休みさせていただいております。
また、皆様のブログへのコメントも不定期にさせていただいております。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。
面白いと思われた方
応援よろしくです!
↓


どうかごひいきに!
スポンサーサイト
ディーゼル車は別物なんですね。
改めて日本の技術力はすごいんだなぁと実感しました。
それにしても不正ソフトを作れる手間と時間があるなら
技術力を向上させられるのでは…
と思うのは素人考えでしょうか。