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2012.09/18 [Tue]
僕はクロ
お母さんからはぐれてどのくらい経っただろう?
気がついたら草むらでうずくまっていたんだ。
おなかが空いて、もう立ち上がる元気もない。
「おかあさ~ん!」って叫び続けたんだけど、
もう声も出なくなっていたんだ。

体に蟻がたかってきたけど、
もうそれを振り払う力もなかった。
なんだかすごく眠くなってきて、
目を開けているのもしんどくなってきたとき、
物音がしたから、音のする方を見てみると、

おじさんが僕を見つめていたんだ。
手を見ると袋を持っていたから、
僕を捕まえるつもりなんだと思った。
あまりいい人に見えなかったから
最後の力を振り絞って思い切り威嚇してやったんだ。

おじさんは一瞬怯んだけど、
なんとかして僕を捕まえようとしている。
逃げる力はもう僕には残っていなかったから、
一生懸命威嚇し続けたんだ。
すると今度は女の人が近づいてきた。
そしておじさんと何か話をしているんだ。

しばらく話していたけど、
おじさんはにっこり笑って去っていった。
今度はその女の人が優しい声で話しかけてきたよ。
最初は威嚇したんだけど、
僕はすぐにこの人が助けてくれると分かったんだ。
手を差し伸べてくれたから、
僕は残った力を振り絞って女の人の手に倒れ込んだのさ。

それから、びょういんっていうところに連れて行かれて、
体を触られたり、針を刺されたりしたんだけど、
いじめられているんじゃないことは分かったよ。
夜になってあの女の人が迎えにきてくれた時はすごくうれしかった。
女の人の家に着いたら、
僕専用の家も用意してくれていたんだ。
あたたかい枕の様なものが入っていて
とても心地よかったよ。
しばらくすると男の人が帰ってきて、
優しい声をかけてくれて、
僕の顔を心配そうに覗き込んでくれたよ。
暖かいミルクをたくさん飲ませてくれて、
柔らかくて美味しいご飯もお腹いっぱいに食べたんだ。

体に少しずつ力が戻ってくるのが分かったよ。
でも、すごく疲れていたのと、
安心したのとで、すぐに寝てしまったんだ。
翌朝、目が覚めたら、
「僕は助かったんだ!」って実感した。
あきらめずに頑張って良かった、そう思ったよ。
今ではすっかり元気になって、
お母さんと遊んだりしてるよ。
あ、今では女の人が僕の命の恩人だから
お母さんだと思っているんだ。
優しいお母さんとお父さんに見守られて、
僕はとっても幸せさ!

え?
「君の名前は?」って?
お父さんはクロって呼んでくれるんだ。
だから僕の名はクロ。
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NoTitle
ほんと良かったね!
優しいお母さんに出会えて
これからいっぱいたべて、いっぱい遊んで
大きくなるんだよ!!
クロちゃんの幸せはこれからだもんね